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名作椅子のプロフィール 1
「名作椅子」と呼ばれる椅子があることをご存知ですか? 機能的で、構造的にバランスが良く、まるで彫刻作品のような美しさを持った椅子。
各時代に興った芸術運動の中でエポックメイキングな椅子。 そして 長年に渡って人々に愛されロングセラーとなっている椅子。
そんな条件に当てはまる 優れた椅子が「名作椅子」と称されているのです。 お気に入りのインテリア雑誌を開いてみて下さい。写真の中には、きっと数々の名作椅子が写っているはず。
毎回、名作椅子のプロフィールをとりあげてみます。知っていると ちょっと楽しいですよ。
第1回は「ト−ネットのNo.14 」です。
誰でも きっとどこかで見たことがあるでしょう。 この椅子は1859年、ミヒャエル・トーネットが発表し、以来150年に渡って作りつづけられている
大ロングセラーの椅子です。
作者のミヒャエル・トーネットは1796年オーストリアの古い町ボッパルト(現ドイツ)に生まれました。製作に手間のかかる家具は、当時高価で貴重であったため一般庶民には手の届かないものでした。
家具職人のマイスター(親方)だったトーネットは「美しく均質で安価な椅子を、より多くの人達に提供したい」との考えから研究を重ね、曲木(まげき)の技術を開発しました。家具の大量生産への道を開いたのです。この時ヨーロッパは産業革命の途上でした。
「曲木」とはブナやナラなどの堅木を蒸気で蒸して柔らかくした後、型枠に嵌めて乾燥させる技術で、木の繊維を切断しないで丈夫で美しい曲線を持った家具を作る画期的な技術です。また、安価なブナ材を初めて使ったり、工場をブナ林の近くに建設したり、分解して運送できるデザインにしたりと
様々なコストダウンの工夫を凝らしました。
軽く美しく丈夫で手頃な価格の曲木椅子は、瞬く間に王宮にも庶民の家庭にも普及していきました。 中でも代表的なNo.14の椅子は現在まで7,000万脚が作られたそうです。
ウィーンやパリのカフェで、そして誰かのダイニングで、トーネットの曲木椅子を見かけたら、ちょっと思い出してみてください。
トーネットのデザインは1,700種ものバリエーションがあります。 オルセー美術館にその一部が展示されていました。
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