三谷建築設計事務所 富山県一級建築士事務所 住宅設計

「素・敵・通・信」は、2003年から発行している 手づくりの通信です。
「素敵な人との素敵な時間」をテーマに、住まいづくりやインテリアのアイデアと身近な話題を取り上げています。
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長い梅雨が終わって、ようやく本格的な夏です。 この夏は何処かへ出掛けますか? 何か新しいことに挑戦しますか? 活動的な季節を、思いっきり楽しみましょう。 2003年7月30日 三谷 光雄 + 三谷 妙子

N E W S 〜設計コンペで優秀賞をいただきました〜
「とやま住まいとまちづくり推進懇話会」主催の「とやまの木でつくる家の設計コンペ」に応募し、優秀賞に選ばれました。7月13日、富山のサンシップで行われた公開審査では 、大勢のギャラリーを前にプレゼンテーションをしました。

コンペ前、まだ余裕の表情です

真面目な顔でプレゼン中。

授賞式.........「ありがとうございます。」

心地よい住まいづくり 3 
  
  
住まいの間取り(フロアプラン)を計画するにあたって、心掛けていることはいろいろあります。 今は共働きのご夫婦が大半です。仕事と家事の両方を効率よくこなし、忙しい毎日を快適に過ごすためにはフロアプランにも工夫が必要になってきます。建物の中での人と物の動きの軌跡を動線といいますが、炊事・洗濯・掃除などの家事動線が短くなるように計画することは、とても重要です。その為には、水廻りの各部屋をつながりよくコンパクトに配置し、なるべく行き止まりをつくらないように、ぐるりと回れる回遊性を持たせるようにしておくことを心掛けています。

また、最近はLDKをワンルームにしたいと希望される方が多くなりました。お母さんがキッチンに立って炊事をしながら、ダイニングテーブルで宿題をする子供たちの様子をみる。あるいはリビングでテレビを見ている家族と会話をする。もちろん、キッチンがオープンであれば家族が気軽に手伝うでしょう。......仕事を持つお母さんが増えているからこそ、家族のコミュニケーションを充実させる、オープンなワンルームのLDKが求められているのです。 しかし、オープンなLDKにも不都合な点が出てきます。例えば、匂いの問題。食べる時にはとても美味しそうな匂いでも、いつまでも家中に充満していては困ります。また、疲れていてキレイに片付け出来ない時。散らかった室内に突然の来客、どうしますか?

私は、引き戸(スライディングドア)をLDKのプランに取り入れ、必要に応じて仕切れるように工夫しています。 引き戸は、ドアほど気密性はありませんが、開閉に場所をとらず、また、開ける分量を調節することができます。天井までの引き込みの建具にしておけば、動かせる壁として部屋のスペースや使い方をフレキシブルに変えることも簡単です。ドアは閉じるための建具ですが、引き戸は開けるための建具と言えるでしょう。

開けた時も閉じた時も美しい引き込み戸であれば、冬の寒い時期には小ぢんまりした部屋でぬくぬく。夏の暑い時期には開け放した空間でひろびろ......と空間を模様替えすることが可能です。日本の住まいに合った優れた仕掛けです。








夏のインテリア 〜 季節を楽しむ工夫 〜
  
  
微かな風に揺れる繊細な葉先.....。すだれ越しに映る夏の風景.....。 戸外の厳しい暑さをひととき忘れさせてくれる、涼感あるインテリアの工夫をしてみましょう。
この夏は「日本」をテーマに過ごしてみませんか? もともと「夏をもってよしとする」開放的な日本の家屋。昔ながらの暮らしの知恵を再発見!

さらさらした肌触りのちじみの座布団。手漉き和紙のうちわ。部屋にあるだけで「日本の夏」。
日本手ぬぐいのおしぼりは、可愛い柄がいっぱい。笹やもみじの葉を添えて、お客様にお薦めしましょう。

キラキラ光るガラスの器は夏の定番ですが、たまには趣向を変えてみませんか?渋い陶の器を、たっぷりの水で湿らせてテーブルの真ん中に。陶肌の水滴が涼しさを演出します。グリーンだけで生けるのも素敵。葉には霧吹きで露を打たせると 一層涼しそう。

風に揺れる「麻のれん」。目で涼風を楽しもう

透けるアイテムの代表格「簾」。すだれは窓面から少し離して吊るのがより効果的。内外の温度差で空気が流れ、風が生まれます。昔ながらの外断熱アイテムです。
部屋の真ん中に何も置かないスッキリとした空間をつくると、風通しの良い夏らしい室内になります。自然素材のファブリックや小物、透けるアイテムを住まいの中に取り入れて、目にも涼しいインテリアを楽しみましょう。



名作椅子のプロフィール 3
バタフライ スツール

バタフライ スツールは1956年、柳宗理(やなぎ そうり)というデザイナーによって作られました。その独特のフォルムと造形美が高く評価され、翌1957年にはミラノトリエンナーレで受賞しています。日本を代表するデザインとして、ニューヨーク近代美術館、アムステルダム市美術館、ルーブル美術館など多くの美術館の永久コレクションとなっています。

同形の2枚の成型合板をボルトとステー(棒)で止めただけの、いたってシンプルな構造。その美しい三次曲線で出来たカタチは、「羽を広げた蝶のようだ」と、バタフライスツールと名づけられたそうです。以前、数脚並べて置いてあるのを見た時は、まるで蝶々が羽を休めているようだと納得しました。しかし私には、この椅子は掌を合わせて開いているカタチのようにも見えます。どちらにしても東洋的な美しさを感じずにはいられません。

単に姿が美しいだけではなく、この椅子はなかなかのスグレモノです。小型で軽量なので置く場所を選びません。また、畳の部屋にも美しく馴染み、腰掛けた時の適度なシナリが掛け心地の良さにつながります。座面が34センチと低いのも、日本人の体型に合っていると言えるでしょう。

デザイナーの柳宗理は、民藝運動の指導者として有名な柳宗悦の長男で、1915年生まれ。88歳の現役工業デザイナーです(!!)父親の影響で、幼い頃から多くの芸術家と親交があり、芸術に親しんでいたそうです。バーナード・リーチ、浜田庄司、河井寛次郎、ブルーノ・タウト.....などなど、錚々たる人達です。そして、さまざまな経験の後、工業デザイナーとしての道を歩きつづけているのです。柳宗理のデザインは、椅子に限らずキッチン用品、照明など多岐に渡り多数ありますが、そのどれもが図面だけでなく、たくさんの模型を作って構造を確かめた後、世に出ました。バタフライスツールも、そういう過程を経て、姿も構造も洗練されていったのでしょう。

余談になりますが、先日新聞記事を読んでいて(NHKの趣味の園芸でおなじみ)園芸研究家の柳宗民氏が、柳宗理の弟さんということに初めて気づきました。お父さんが民藝運動指導者、お母さんがアルト歌手と書いてあったからです。そういえば、「柳」さんで「宗」民さんだし、お顔も似ておられるし。今まで気づかなかった私って、相当なウッカリ者?

行ってきました ♪ 休日に出かけた あんなところ こんなところ 
  
  
■ 上 田 勝 美 木版画展  7月1日〜16日  
大島絵本美術館 にて 版画家・上田勝美さんの個展におじゃましてきました。昨年市展で奨励賞を受賞した大作や、新しい作品など多数展示してありました。「とうがらしシリーズ」や「魔女シリーズ」ほか、季節感ある作品の数々。上田さんは、素朴な疑問ひとつひとつに丁寧に答えて下さり、私は、少しだけ木版画に詳しくなりました。

■ クラフトマンズギャザリング 7月19日〜7月27日 
サン・センター にて 県内在住の若手クラフト作家17人の作品を、展示即売。クラフト好きの私達は、早速出掛けました。漆、ガラス、染、織、などなど.。どれも素敵なものばかり。若々しいセンスに触れ、ワクワクしたひと時でした。


ハラハラ・ドキドキ「とやまの木の家設計コンペ」参戦記 
  
  
今回の設計コンペ参加は、私達にとって、とても有意義な出来事でした。

これは実在の2人の建主さんの住宅を、富山県産の木を使って建てる設計案を提案するという大変ユニークなコンペです。チャレンジ精神で応募を決めたのでした。

私達の応募作は、議論に議論を重ねたプラン。時には言い争いになったことも。おかげで納得のいく設計案になったと自信がありました。

一次審査突破の知らせは、7月12日午後5時に入りました。しかも、私達のプランは2案とも一次審査を通過したとのこと。(やったー!)明日の二次審査は公開審査で、富山サンシップのホールで8分間のプレゼンテーションと10分間の質疑応答です。さあ、どうする?大勢の人の前で、上手にプレゼンできるかなぁ?... 「とにかく、精一杯やろう!」...と言う訳で、私(T)が最初にしたことは、美容院へ行くことでした。だって、髪の毛ボサボサじゃあねぇ。(まあ、誰も見てないとは思いますが。)大急ぎでカットしてもらって事務所に戻ると、すでに(M)さんは金沢から帰っていました。(その日は、金沢で会合に出席していたのでした。) 早速、作戦開始。

何せ2案とも発表なので気が急きます。短い時間で、どういう風に話したら、設計主旨がうまく伝わるか。またしても、議論。 気持ちは「絶対イケル」と「やっぱりムリかも」を往ったり来たり。でも、合言葉は「後悔のないように。全力投球。」  

という訳で、考えられることは全部準備して、朝ご飯にカツサンドを食べて(=縁起かつぎ)、神棚にお参りして(=苦しい時の神頼み)、行きの車の中までプレゼンの最終練習をしたのでした。 おかげで、本番はとても落ち着いて上手に発表できました。プラン内容も、とても良かったと思います。 (身贔屓を差し引いても、プレゼンは合格点でした!) 残念ながら、最優秀賞は逃しましたが、優秀賞を2つもいただくことができました。

今回のことで自分たちに自信が生まれたことは、大きな収穫だったと思います。 最後に、忙しい中、急遽 会場に駆けつけて応援してくださったk村さんに、心からありがとう。 熱くて長い、夏の一日でした。