三谷建築設計事務所 富山県一級建築士事務所 住宅設計
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「素・敵・通・信」は、2003年から発行している 手づくりの通信です。
「素敵な人との素敵な時間」をテーマに、住まいづくりやインテリアのアイデアと身近な話題を取り上げています。
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春の明るい日差しを感じると、どこかへ出掛けたくなります。
美しい景色をみて、いつもと違った経験をするのは楽しいですね。
どこへ行こうかと考える時から、旅は、もう始まっています。
2009年 5月2日 三谷光雄 + 三谷妙子



■国重要文化財「 吉 島 家 住 宅 」見学レポート 高山市大新町1- 51

「吉島(よしじま)家」は、代々酒造を家業とする高山の豪商。建物は二度の大火の後、明治40年に再建されたもので、名工と謳われた棟梁・西田伊三郎の手によるものです。飛騨の匠の優れた技と、吉島家当主の美意識が素晴しい建物を作りました。
かつてアメリカの建築家チャールズ・ムーアが『吉島家住宅の魅力は、地球を半周しても見に来た価値がある。』と語ったそうです。
--- 吉島家展示資料より抜粋 ---

「吉島家住宅」は、観光客で賑わう高山市上三之町から10分ほど歩いた大新町通りに、「日下部家住宅」と並んで建っています。どちらの建物も、軒の高さを低く抑えているので、昔ながらの 幅の狭い通りの上に青空が広がり、歩いていても圧迫感がありません。このバランスが、道行く人に心地良く、建物に落ち着いた印象を与えているのだと思いました。

建物の外観を見ると、多少の違いがあるものの、両家とも たくさんの格子が使われています。隣り合った両家の、格子をひとつひとつ見比べるのも興味深いです。

「入口どうじ」と呼ばれる入り口は、天井が低く狭く薄暗いです。暖簾をくぐって、一歩中に入ると、空気が一変します。明るく広い 吹き抜けの土間が現れるのです。天窓から射し込む自然光に照らし出された、開放的な空間。賑やかな通りから、一瞬、静かな異空間に迷い込んだような不思議な感覚にとらわれ、そのドラマチックな仕掛けに感心しました。

「土間」と「おうえ」「だいどこ」を包み込んだ この大きな吹き抜けは、吉島家の最大の見所です。
長さ8メートル、30cm角の立派な大黒柱を中心にして、それに架かる梁と束が、力強く美しい格子状の木組みを作っています。太陽の移ろいにつれ 刻々変化する木組みの表情は、大胆でありながら繊細さが感じられ、見飽きることがありません。時間の経つのも忘れ、つい長居をしてしまいました。







普段 何気なく使っているものの中には、きれいな色や素材 使った後も飾っておきたくなる素敵なデザインがあります。

■ 上田さんのワイングラスコレクション
木版画家の上田勝美さんは、旅とお酒を愛する素敵な女性。
お宅には、沢山のワイングラスを納めたキュリオケースがあり、旅先でひとつひとつ集め、大切に持ち帰ったグラスが飾られています。光を透かし、色とりどりに輝くグラスは本当にきれい!
いろんなデザインのグラスを見ながら、旅の思い出話を聞くのも楽しいです。上田家のホームパーティでは、お客様は、コレクションの中からそれぞれ好みのグラスを選んでお酒を飲むのだとか。
楽しい趣向で、皆さんに喜んでもらっているそうです。毎日の生活の中でみんなで使って楽しめる、こんな旅の記念品もいいですね。上田さんのワイングラスコレクションの、ほんの一部を見せていただきました。




赤と白のグラス。厚手のガラスが温かみを感じます。マレーシアで。

イタリア・ベネチアのグラスは、華やかな色彩と形。脚のデザインも独特。切子の赤いグラスは、クアラルンプールのお土産。花の模様と金の縁取が、オリエンタルな雰囲気。


箱根 ガラスの森美術館のミュージアムショップで。青いタンブラーには、動物のシルエットがたくさん描かれています。


かわいいピエロのボトルは、能登島のガラス工房で。手前のグラスは、側面のカラフルなピースがワインを飲むたびに揺れて、ちいさな音がします。

バリ島からきたグラスには、可憐な花が描かれています。手前のボウルは、故宮博物館のミュージアムショッフで゚。光にかざすと、鮮やかな「花と龍」の模様が浮かびます。


マットな質感と、描かれた葡萄の渋い色合いが素敵。北海道・北一硝子で。

上田勝美さん

唐辛子は、上田さんの作品の代表的なモチーフ。近作は、青い唐辛子が題材。大島絵本館での次の個展も楽しみです。







朝日町の花の名所、舟川に行きました。青空を背景に、白く輝く朝日岳。

川の水音を聞きながら、満開の桜の並木を歩きました。風を受け、はらはらと散る桜の花びら。菜の花の黄色、チューリップの赤、緑。 

春の色彩が溢れる景色に、「美しい」という言葉しか思い浮かびません。梅花藻が揺れる、澄んだ水の流れにも感激しました。桜堤は、地元の方々の協力で整備されているそうです。毎年大勢の人が訪れて、この景色を楽しんでいるとか。私達も、ゆっくりと周辺を散策して春を満喫しました。




■ 雑草の話 田中 修 著 中公新書 新聞の書評で興味を持ち、早速読みました。雑草はとても身近なのに、詳しいことはほとんど知りません。名前の由来や意外な習性、エピソードが満載のこの本は、どこから読んでも面白く、文章に著者の温かな目線を感じて、心が和みます。


■ 京都を包む紙 井上由季子・松村美賀子著 アノニマスタジオ
美味しいお菓子は、包み紙も美しいです。きれいな包み紙を大切に抽斗に仕舞うのは、私にも心当たりがあります。文字のデザインや色合い、包み方にも、何かメッセージが込められているように感じて、包みを開ける時も、そっと丁寧に扱います。著者が、何年もかけて集めた、京都の老舗の包装紙にまつわるお話が、一冊にまとまった本です。なかには、私も知っているお店の包み紙がいくつか。デザインの背景や見どころを読むと、なるほどと思います。京都に旅する時の、お店ガイドとしても面白いかも。




■ 竜馬の妻おりょう 前田愛子著 新人物往来社
高知市内には龍馬さんの絵がいっぱいで、そのスーパースターぶりに感心しました。今まであまり知られていなかった龍馬の妻・おりょうさんの半生を描いた本です。龍馬さんも偉いけど、おりょうさんの波乱の人生もすごい。とても強く逞しい女性だと感心しました。


■ 博士の愛した数式 小川洋子著 新潮社
とても静かな物語でした。物語の最後には、感動の涙がぽろっと流れ、幸福感で胸がいっぱいになりました。物語のなかの、博士の家の間取りとインテリアがとても気になった私は、読み進みながら、あれこれ想像して楽しみました。特に食堂と台所は、私の頭の中で完璧にイメージが出来上がっています。映画化されましたが、自分のイメージと違っていたらと思うと、映画を観るのが何だかためらわれます。




■ 旅の絵本 I〜VI 安野光雅著 福音館
1977年に一冊目の「 旅の絵本 」が発行され、最後の「 旅の絵本VI」は2004年発行。息の長い、のんびりペースのシリーズです。私はずっと前に「IV」までを揃え「これで終わり」と思っていたところ、最近、続きがあることを知ってようやくコレクションを完成させました。中部ヨーロッパから始まった旅は、イタリア、イギリスと続きアメリカ、スペイン、デンマーク。文章は無いけれど、ひとりの旅人がページのどこかに必ず登場しています。美しい風景や楽しいお祭り、有名な絵や物語をなぞったシーンを見つけて、楽しい気持ちになります。旅人は、最後に、また小舟に乗って旅立ちます。旅はつづくのですね。





■ 金沢市・近江町市場

市場独特の活気のある雰囲気が大好きで、旅先でも、市場があると必ず寄ります。店先に並べられた、たくさんの品を見たり、お店の人とちょっとした会話をするのも好きです。
改修工事をしていた近江町市場が新装オープンしたと知り、行ってきました。「すっかり変わって綺麗になり過ぎていたら、ちょっと物足りないのでは」などと、勝手なことを心配しながら行きましたが、以前より明るくきれいになって、お店の場所もより分かりやすくなっていました。
食品を扱う場所だから、やっぱり清潔感があるのが気持ち良いです。通路の幅が、以前と同じように、ほど良く狭くて安心しました。地元のお客さんに混じり、大勢の観光客も買い物を楽しんでいます。こんな場所がうちの近所にあったら良いのに、といつも思います。




どこへ旅しても、その土地の名建築を見学するのは楽しいです。

高山の「吉島家住宅」は初めて見学しましたが、とても素晴しく、気づいたら2時間以上も見学していました。二人それぞれに見るポイントが異なるので、ひとりで見ているのとは違った意外な発見があります。
「きれいだね〜。」「なるほど!すごいね。」「何故だろう?」と気ままにお喋りしながら見学した様子をレポートしました。私達と一緒に「建築ウォッチング」している気分になっていただけたら嬉しいです。タイトルの絵は、吉島家の透かし欄間の意匠を写させて戴きました。もうすぐ、ツバメが飛び交う季節ですね。



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